「どれだけ働く土台が出来ているのか?」は気になる点だと思います。
今回は、職業準備性ピラミッドと就労移行支援のためのチェックリストを紹介します!
これらのツールを使って、何が出来て、何が出来ないのかを認識し、どれだけ働くための土台が備わっているのか把握しましょう!
職業準備性ピラミッドとは?
障害のある方の就労に向けた準備の段階として、職業準備性ピラミッドが作成されています。
下記の画像は、山梨県の障害者職業センターが作成したものです。
職業準備性ピラミッドはダウンロードできます
職業準備性ピラミッドとは・・・どんな職業で、どんな立場に就いたとしても、共通して必要とされる基本的なスキルをピラミッド状にしたものです。
ピラミッドは、①~⑤に分けられています。
①から順番に出来るようにしていきましょう!
- 健康管理
- 日常の生活管理
- 対人スキル
- 基本的労働習慣
- 職業適性
①健康管理
社会で働ける身体になることが目的です。
身体の健康 | 食事での栄養管理。体調の変化に自分で気づき、医療機関へ受診するなどして復調を目指すことができる。 |
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心の健康 | 精神的な不調や、変化等の気づき、発信&医療機関へ受診する等が行える。 |
障害への理解 | 自分自身の障害や病名を自覚・理解する。障害特性について他人に説明する知識を持つ。 |
服薬 | 医療機関からの指示通りの服薬が行える。 |
②日常生活管理
安定した力を発揮して働けることが目的です!
日常生活が乱れると、就労・通所現場での不調になることがあります。仕事中に睡眠不足でぼーっとしたりしてしまうと、思わぬ労災を起こしてしまうかもしれません。
規則正しい生活 | 十分な睡眠時間が確保する。食事は適正な時間に取る。夜遅くまで趣味や好きなものに没頭しない。就労・通所を見越した時間帯での就寝が行う。 |
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変化への対応 | 就労・通所が始まり、生活リズムが大きく変化しても、それらに十分に対応できる。 |
③対人スキル
職場で円滑に働けることが目的です。
職場では、苦手な方ともコミュニケーションを取らなければいけません。また、立場も同僚等の横の繋がりだけではなく、上司や部下等の上下関係の繋がりも出てきます。
職場での障害への理解 | 困っているシーンでは困っていると発信したり、自分の意思を伝えることができる支援者とコミュニケーションをしっかりとる。そうすることで、支援者から周囲へ配慮を促すことができる。 |
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職場での人間関係 | 職場では、自主的に行動し、周囲とコミュケーションを取ることで円滑にいく場合がある。自己判断で行動するのではなく、確認を取ることも重要。わからないことは行動する前に聞く。 |
協調性 | 職場では苦手な人ともコミュニケーションを取る必要がある。苦手な人の意見や、やりたくない仕事であったとしても、自分の主張ばかり押し通そうとしない。苦手な人であっても協調し、相手の立場に立って考えることが必要。 |
④基本的労働習慣
会社の一員として信頼されることが目的です。
障害者、健常者どちらにもいえますが、基本的な労働習慣を身に着けることで継続的に働くことが出来ます。
ビジネスマナー | 挨拶をする・身だしなみを整える・敬語を使う…等の基本的なビジネスマナーを使えう。会社独自のルールに適応する。 |
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報告・連絡・相談 | 報告・連絡・相談をする。報告とは何か、連絡とは何か、相談とは何かを把握する。自分の責任によるミスが生じても隠さずきちんと報告する。 |
規則の遵守 | 規則を遵守するために、会社のルールを確認・理解する。ルールを守ることができるかどうかは、学校生活や訓練施設でルールを守れたかを振り返えると良い。 |
⑤職業特性
仕事能力が評価されることが目的です。
各職種により、適正内容が違います。
今回は、作業に関して適正を見られる共通項を記載します。
- 作業効率や作業の質等の向上への意欲
- 作業速度
- 作業の質、正確度
- 指示への理解、指示への適正な作業への変換
- 作業環境の変化への柔軟な対応
- 並列作業能力
- 自己理解(作業の速度、質等)
知的障害や発達障害のある方は、ピラミッド中部に弱点のある方が多いとされています。
苦手なことを理解し、今後の就労移行を目指しましょう!
就労移行支援チェックリスト
就労移行支援チェックリストは、就労移行支援事業所などのために作られたものです。
就労移行支援事業所が、支援対象者について個別支援計画を作成し、適切な支援を進めるために作成されているものです。
事業所によっては、個別で支援チェックリストを作成している場合も多くあります。
厚生労働省より発行されている就労移行支援のためのチェックリストを載せるので、参考にしてみてください!
チェックリストを埋めることで、支援対象者の現在状況を把握することができるでしょう!
最後に
就労に向けて、出来ることと出来ないことを理解することは大切です。
出来ないことを少しずつ出来るようにしていくことが就労に繋がります。
就労移行支援事業所などで、訓練出来るので利用してみてもいいでしょう!